MAにおけるスコアリング

MAを導入した企業(導入しようとしている企業)の多くが、シナリオとともに頭を悩ませるのがスコアリングです。「どんな行動に何点スコアを付与すればいいのか?」と悩んでいる場合が多くあります。そして、ベンダーが推奨しているスコア付けの方法も、実はリードナーチャリングに有効ではない場合が多いのです。それでは、スコアリングをどのように活用すべきなのか。そのポイントについてお話しします。

スコアリングの勘違い

MAツールの中でも目玉ツールとして紹介されることの多いスコアリング機能。ベンダーは、「シナリオと、シナリオに応じたスコアの設定がMAで成果を出す肝である」と説き、その言葉を聞いた多くの企業は、カスタマージャーニーやスコアの設定に長い時間を費やして、一つひとつのアクションごとに付与するスコアを決めていきます。
こうした場合、「スコアが◯点になって初めて連絡する」といったゴール値を敷く場合がほとんです。そして、この運用が正しいかのように思われていますが、実際はスコアが高い顧客ほど受注に至らない場合もあります。

なぜなら、スコアが高い方の中には「無料でノウハウだけ欲しがっている」人や「パートナー的立ち位置で情報収集のためにチェックしている」人も多く混ざっています。つまり、「スコアが高まった!」と思い意気揚々と電話をすると、まったく見込み客じゃなかったという場合も多いのです。

また、こういったケースも考えられます。たとえば、スコアが1年掛けて100点になった人と、3日で10点に達した人がいれば、本来は後者の方が今、製品・サービスを検討している可能性が高いわけです。しかし、「特定のスコアに達したらアプローチをする」というルールを敷いていると、おそらく100点に達した人に電話をして、10点の人は放置したままでしょう。これが、営業機会を逃すことに繋がるのです。

「見込み客の数が多く、追いきれない」といううれしい悩みを持っている一部の企業以外では、スコアリングを信用すればするほど、見込み客へのアプローチのタイミングを間違い、営業機会を失うことにつながりやすいもの。スコアリングは大事という幻想に惑わされて、スコアを設定することに躍起になるのは辞めた方がいいでしょう。

スコアリングは「見込み客のWeb閲覧履歴を一目で把握できる指標」として使うべし

では、スコアリングは不要なのかというと、そういうわけではありません。推奨したいのは、スコアリングを「見込み客のWeb閲覧履歴を一目で把握できる指標」として使うことです。
つまり、スコアリングに対する考え方を「スコアの高い見込み客(一定のスコアに達した見込み客)に対してコールする、アポイントをとるための指標」から、「見込み客にコールする際の参考指標として見るもの」へ変えてほしいと思います。

たとえば、メールで送ったお役立ち資料をダウンロードしてくれた見込み客がいるとします。ダウンロードという行動を起こした方には、インサイドセールスからコールをすべきですが、その際に「見込み客が資料をダウンロードした後にWeb上を回遊しているのか」を知ることで、コール時のトーク内容を変えることができるのです。スコアが0ポイントの人だったらWebサイトは見ていないということになるので、何に興味を持ってダウンロードしたのかを伺い、関連ページを案内してあげると親切でしょう。逆に、スコアが高い方は、どのページを見ているのかによって見込み客が探している(興味を持っている)情報を先回りして推測することができます。こうした情報が参考指標としてあることで、コールする際にあらかじめ準備をすることができるのです。

このようにスコアリングを「見込み客のWeb閲覧履歴を一目で把握できる指標」として使う上で注意してほしいことが1つあります。それは、メールの開封・クリックやセミナーの来場など、Web上の回遊履歴以外の行動は、スコアにポイント加算しないということです。なぜなら、メールの開封やクリックはコールをする際に必ず見るポイント(あるいはコールするかどうかの判断ポイントになることも)ですし、セミナーに来場した見込み客に関しては、インサイドセールスが人力を掛けて個別フォローしていくべきだからです。

全ページをスコアの対象としてはいけない

以上のことを踏まえて、スコアリングを行う際に気を付けてほしいのは、「全ページをスコアの対象としない」ことです。

よくある間違いが、「会社概要ページを見たら1点、導入事例ページを見たら3点、料金表を見たら5点」というように、すべてのページをスコア付けの対象としてしまうことです。こうしても、無駄にスコアが高くなってしまうだけ。それに、スコアが小刻みだと差も生まれづらくなってしまいます。

スコアは、いくつかの重要なページを見たときだけに付与すればOKです。他社比較や価格に関するページはもちろんですが、トップページには高得点を付けてください。特に、トップページ以外からの検索流入がある企業は、「Aさんがトップページを見ている=検索流入で入ってきて、他の情報も知りたくなりトップページに遷移した」という導線が考えられやすいためです。トップページはわりと軽視されやすいのですが、高スコアとして扱うことをおすすめします。また、スコアの付け方は「1点、5点、10点の3種類」という風に、思い切って差が生まれるように付けてください。

それほど見込み客数も多くないのに、スコアリングをこねくり回して法則性を見出そうとしている企業もありますが、それは担当者の自己満足になりかねません。そうしている時間があったら、まずは何らかのアクションをしてくれた見込み客にコールを行い、ヒアリングをして、インサイドセールスにおけるランク付けの正確性を高めていく方がよほど重要だといえます。

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