MAにおけるシナリオの作り方

MAを導入した企業(導入しようとしている企業)の多くが、見込み客育成のシナリオはどのように作ればいいのかと悩んでいたり、「さて凝ったシナリオを作るぞ」と張り切っていたりするのではないでしょうか。しかし、シナリオ実はもっとシンプルに、そしてMA内にとどまらない観点で設定すべきものなのです。今回は、MAにおけるシナリオの正しい作り方をお伝えします。

シナリオの細かさと成約率に相関性は無い

「シナリオを細かくすればするほど成約率が上がる」
こう思っている方がほとんどではないでしょうか。そのため、躍起になってシナリオを数十パターン作ったり、どんな分岐をさせようかと考えることにかなり時間を遣っているのではないかと思います。けれど、それは淡い幻想です。シナリオの細かさ・多さと成約率に相関関係はありません。

細かいシナリオを敷くことが許される例外は、商材を多数扱っているBtoC企業と、問い合わせが多く対応の手が回っていないBtoB企業だけです。問い合わせが多すぎる企業は、見込み客のクオリフィケーションのためにシナリオをこだわって作るのもよいでしょう。けれど、そんな企業って、数少ないですよね。「シナリオを作って特定のスコアになったり、企業側が勝手に決めた〝理想の分岐〟に沿って行動してくれた人にだけアプローチしよう」そう決めて運用していると、見込み客の数が足りなくなることでしょう。「ふるいに掛けている場合じゃないですよ」と言いたいです。

そもそも、シナリオを細かく分岐させるとなると、それだけコンテンツを量産しなければなりません。これまで、夏期休暇のお知らせや年末年始のお知らせ程度しかメールを送っていない企業が、いきなり難解なシナリオ設定に取り組むのは、一足飛びどころではない難しさだと思いませんか?

インサイドセールスを工程に入れたシナリオを作るべし

では、どのようにシナリオを作っていけばいいのかについてお話します。

まず、基本的にシナリオの起点は、シンプルに「過去に名刺交換をした方に対して、製品資料の最新版を送る」でOKです。なぜかというと、名刺交換した当時に比べて製品がバージョンアップしていたり、新製品やサービスが生まれていたりと必ず何かしらの変化があるからです。その変化を知れることは、メールの受け手にとっても有益になります。もちろん、ホワイトペーパーなどコンテンツを他に用意できている企業は、それを使うのもいいでしょう。

次に、意識してほしいのはシナリオを作る際に、メールだけでシナリオを作るのではなく、インサイドセールスを工程に入れたシナリオを作るということです。多くの企業は、メールAを送り反応があった集団にはメールB、無かった集団にはメールCを送るという風に、メールだけでナーチャリングをしようとします。けれど、メールだけでBtoBの商材の購買意欲を湧かせることってとても難しいことです。それよりも、メールに反応してくれたのなら、インサイドセールスから一本電話を入れて状況を伺った方が、見込み客の現状や課題、検討度合いを聞くことができます。そして、見込み客により役立つ情報を提供することができるのです。そちらの方が親切だし、効率的だし、見込み客の検討度合いも上がりやすい(ナーチャリングできる)はずですよね。

たとえば、下記のようなシナリオが一つの理想といえます。

(例)①メールで最新資料を送る→②資料をダウンロードした人にインサイドセールスがコールする→③インサイドセールスがコール内容に基づいてお礼メールを送る→④そのお礼メール内の資料をダウンロードしてくれた方には後日コールでヒアリングを行う→⑤見込み度合いが高まった場合はアポイントを取得し、見込み度合いが上がらない場合は別のメールを送る

これだけでも、十分なシナリオと言えると思いませんか。けれど、多くの企業はMAから送るメールだけで見込み客の検討度合いを上げてアポイントを取得しようと思っているのです。見込み客の立場になって考えてみると、それが難しいことだとわかるはず。必ずインサイドセールスを工程に含めたシナリオを回すことを意識してください。

シナリオは短期で回すべし

ちなみに、シナリオの数をいくつくらいにすればいいのかは、インサイドセールスのオペレーターが対応できる件数と、見込み客数に応じて変わってきます。インサイドセールスのオペレーターが毎日コンスタントにコールできる数を確保できるように、シナリオを組みましょう。手が空いているようであれば、シナリオを短くしたり、メールを開封した人にも全員コールをするといった風にシナリオを変えるのも一つの手です。逆に、コールが追い付かないということであれば、資料のダウンロード以外にもう1つコールするための条件を付けるなどして、数を調整してください。

最後に、もう1つ意識してほしいことがあります。それは、一連のシナリオは絶対1ヶ月以内に回り切るものにする、ということです。ときどき、2〜3ヶ月掛けて回るシナリオを作っている企業もありますが、そんなに時間を置いていると、見込み客に忘れられてしまいます。そして、向こうが検討を終えたタイミングにコールをしてしまう、といったことも起こりえるのです。シナリオは1週間から2週間で回り切るものにするのがベストです。そして、今月のシナリオが終わったら、翌月また別のシナリオを回す。そのように、単月ごとの視点でシナリオを作りましょう。

インサイドセールスが定期的に見込み客と接点を持つことが重要

ちなみに、「たとえば4月にメールを送って資料をダウンロードした見込み客に電話をしたとして、同じ見込み客が5月もダウンロードしたらまた電話をするのか?」とよく聞かれますが、ぜひしてください。「それって、しつこいのでは?」と思う方は、おそらく「コールする以上、アポイントをとらなければいけないのでは」「製品を売り込まなければいけないのでは」という固定概念があるからそう思ってしまうのでしょう。

インサイドセールスはコンシェルジュ。そういった営業トークは不要どころかNGです。「今月もダウンロードいただいてありがとうございます。今後取り上げてほしいテーマがあればぜひ教えてください」「◯◯に関する資料のダウンロードありがとうございます。関連する△△や××などの資料もありますので、もしご興味あればお送りしましょうか?」といった内容のコールなら、鬱陶しく思われません。

こうしたコールができるのも、インサイドセールスという立場ならではです。MAのシナリオは、インサイドセールスの役割を上手く活かし、組み込みながら、作ることをおすすめします。

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