成果を出すための展示会運営のポイント(前編)

年に数回、展示会へ出展している企業は多いのではないでしょうか?けれど、気付いたら「毎年恒例だから」という理由で出展し、なんとなくいつもと同じようなブースを設計し、なんとなく名刺交換をして終わり、というもったいない活動になってしまっている企業もあります。せっかく安価ではないお金を掛けるのだから、しっかりと成果の出る展示会を設計しませんか。
今回は、2回に分けて、展示会出展時に気を付けるべきことについてお話しします。前編は、「展示会会期前にすべきこと」です。

普段出会えない見込み客に出会える展示会

BtoB企業が展示会に出展する意義は、Webから問い合わせのある層とは異なる層の見込み客を獲得できることにあります。

企業が何らかのサービスを導入しようと考えるとき、以前は営業マンを呼んで製品説明をしてもらい情報収集していました。しかし、今ではインターネットが発達したことで、Web上で検索をして、ある程度比較検討が終わった段階で、候補に残った企業にだけ問い合わせをして、打ち合わせを行う流れが主流になっています。

こうした時代の中でも、インターネットで検索して情報収集することがそれほど得意でない方たちもいます。そうした方は、多分野の最新情報をまとめてキャッチアップできるからという理由で、展示会に足を運ぶのです。展示会は、普段Webで広告を出しても、コンテンツマーケティングに力を入れてもなかなか出会えない方との接点を持てる、貴重な機会です。

もうひとつ、展示会に出展する利点は、市場のリアルな声を聞けることです。たとえば、当社であれば、出展することで「マーケティングオートメーション(MA)」というツールが世の中でどれほど浸透しているかを知ることができます。もちろん、「はじめて知った」という方もいるでしょう。その方に説明をすることで、興味を持ってもらえる場合もあります。製品市場が飽和する中で、顧客開拓をするためには、〝今認知してもらっていない層〟に向けて、どういった戦略や訴求が必要かを考えなければなりません。その手がかりが掴めるのです。

展示会開催前にすべきこと

それでは、展示会出展にあたってやるべきことを具体的に紹介していきます。大きく、「展示会開催前」「展示会開催中」「展示会開催後」の3つのフェーズにわかれるので、まずは「展示会開催前」にすべきことから紹介します。

・出展の目的決め

企業内で必ず行っておきたいのが、展示会出展の目的決めです。「売上を上げるため」という大目的があるのはもちろんですが、「受注を目指す」のか「見込み客を獲得して、その後受注を目指す」のか、認識を統一しなければなりません。

普段問い合わせが止まらないような、よほどの人気サービスを持った企業などを除いて、企業が展示会に出展する目的は、「見込み客を獲得して、その後受注を目指す」にすべきです。展示会に来場する方の属性と展示会会場の雰囲気を考えてみると、なぜかがわかると思います。

まず、展示会に来場する方のほとんどは決裁権が無い方です。会社から特定のカテゴリのサービスの情報収集や幅広い市場調査などを命じられて、来場しています。お目当ての製品があるわけではなく、満遍なくさまざまなブースを回る方が多いでしょう。そうした方に対して、自社サービスを売り込んで契約を取ろうとしても無謀ですよね。

もうひとつ、展示会会場をイメージしてみてください。自社のブースの両隣や正面には、同カテゴリのサービスを提供する競合企業のブースがあるはずです。ときどき社長や部長クラスの方も展示会に来場しますが、そうした異様な空気の中に置かれた簡易ブースにおいて、契約を締結しようと思う企業は一体どれほどあるでしょうか。

つまり、基本的にはみんな情報収集で来ていること、決裁権を持っていない人が多いこと、そして、仮に決裁権があっても多くの方はその場で決裁するつもりでは来ていないこと。これらを念頭に置くと、「展示会では見込み客を獲得して、その後受注を目指す」ことを目的にすべきなのです。

・来場者に役立つ販促ツールの制作

展示会でより多くの見込み客を獲得する(=名刺交換をする)ためには、魅力的な販促ツールの用意も必須です。多くの会社が自社サービスのパンフレット資料や導入事例集などをただ配っているだけですが、それでは来場者にとってあまり親切ではありません。

展示会の来場者は情報収集のために来ているからこそ、他社サービスとの比較表や、「そもそもマーケティングオートメーション(MA)とは」といった業界のハンドブック的なツールを用意すると、ライバルに差を付けることができ、来場者にはとっても役立ち喜ばれることでしょう。

・すでに接点のある見込み客へ出展案内メールの送信

展示会出展前には、過去に名刺交換をしたすべての見込み客に対して、展示会出展の旨を伝えるメールをMAツールから送ります。単純に「展示会に出展します、来てください」というメッセージだけでは興味を引けません。ただお知らせをするのではなく、「展示会に来てもらえばこんなメリットがありますよ」という案内ができることが好ましいです。

その際に打ち出すメリットとしては、前述の「販促ツール(比較表や業界理解に役立つ資料など)がもらえること」を使うといいでしょう。展示会に来場できない方に対しては、「ここから申し込んでもらえば、当日配布する資料をダウンロードできます」と案内できるとより親切です。案内メールは、1ヶ月〜2週間前に1度送っておき、展示会2〜3日前にもう一度送りましょう。

補足:バーコードリーダーは不要

展示会出展の際に、バーコードリーダーを用意せねばと思うかもしれませんが、バーコードリーダーの使用はおすすめしません。かざすだけで名刺データを読み込めて確かに便利なのですが、データ化されて納品されるまでに2〜3週間掛かってしまいます。これでは、御礼メールの送信やフォローコールをするのがとても遅くなってしまいます。そのため、バーコードリーダーは使用しなくていいでしょう。

以上が、展示会会期前に準備することや気を付けることになります。後編では、展示会会期中と会期後にすべきことについてお伝えします。